昨日、明け方までかけて一気読みした湊かなえの往復書簡。睡眠マシーンの私が寝落ちすることなく最後まで読めた。この人の作品で最初に読んだのは告白。その時も積んでる本の下敷きになりそうなくらい進まなかった読書が比較的すんなり最後まで読めた。私はこの人の書く文章と相性がいいのかも知れない。
作中に出てくる主人公の特徴や心理描写は毎回なんとなく似通ってるな、と感じる。全体的に、正義感が強いが不道徳、という印象がある。
この手紙があなたへ届きますように。
手紙だからつける嘘。
手紙だから許せる罪。
手紙だからできる告白。
―「あのこと」の真相が、封筒から零れ出す。
これ、往復書簡の帯の部分なんだけれども読んだ後にこれほど忠実に的確にこの本を表現出来るものなのかと感心した。大概帯って本編とずれてるのが多い気がする。帯に期待して裏切られる事もしばしば。ま、勝手に期待して裏切られて震えてろって話ですよね。
作品は短編で3作収録されているんだけど、中でも好きなのは1作目。
手紙のやり取りだけであんなにハラハラする展開を作れるのはもう、なんと言うか秀逸としか言いようが無い。早い段階で手紙の主が違う事を臭わせて読み手に想像をさせる。手紙の中にヒントが隠されてないかを慎重に読み進める事で、気がついたら物語の中へどっぷりと引き込まれている。その勢いで2作目3作目と全く違うストーリーで展開していくそれぞれの手紙も難なく読み込めた。
2作目は定年を迎えた教師が在職中に心残りにしていた6人の生徒の現在を知るために教え子に自分の代わりに会ってきて現状を伝えて欲しいという内容から始まる。これは終盤まさかの展開で、うわぁ、これは無いわぁ…と思った矢先に更に違う展開。読後感はなかなか良かったです。
3作目も設定こそは違えど似たような印象。これを読んで心温まって良いのかどうか…という感じだけど終わり方は割りと好きです。手紙の日付設定が上手いなぁと。
3作とも多少強引さはあるけれど、きちんと手紙でなければならない理由と事情が設定されていたし、この本を読んで、懐かしい友人に手紙を書きたくなりました!っていう類の内容では無い事は確かなので、あ、どうかな、人によるかな、まあ何にしろこれはかなりお勧めの1冊です。
手紙の差出人が分かっている状態でもう一度読み返したらまた違った印象で読めると思うので2度読むことをお勧めします。私は1度しか読んでませんが。
そんな感じで、これを弾みに、さて、積読本を整理する傍ら、まず机周りを片付けましょうかね、と引き出しをがさごそしていたらタイミング良く見付けた学生時代の手紙の山。この中からなぜかミッシェルのライブチケットの半券が出てきた。手紙は懐かしくなって読み返してみたりしました。そこで気になったものを。
あけましておめでとうございます。今年こそはもう少しやる気を出そう!
年賀状にわざわざこんな事を書いてくる先生。家族が見てるんです。そして家、今年は喪中です。
こないだは相談乗ってくれて滅茶苦茶嬉しかった!仲直り出来たのも○○のお陰です。いつもありがとうね。どんな事があっても○○だけは私の結婚式に呼びたいな!てか絶対呼ぶからね!約束だよ!
一昨年結婚式があったようですが呼ばれませんでした。
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往復書簡 (2010/09/21) 湊 かなえ |





